千葉県は、介護施設や高齢者施設の数も多く、平成30年11月時点での有料老人ホーム数は479ヵ所となっています。サービス付き高齢者向け住宅も多く、傾向としては地価に連動する形で、利用料や入居時費用も高くなる傾向にあるようです。
また、東京と比べて比較的利用料が安く設定されている高齢者施設が多いため、老人ホームのような入居型施設は、県外(東京都内)から入居を検討する方も多いようです。
千葉県では、2025年に県民の三人に一人が65歳以上となるという推計が出ており、高齢者施策や介護サービスの充実がより一層求められています。こうした情勢を受けて、千葉県では「千葉県高齢者福祉計画」を策定し、生涯大学校の運営で高齢者の社会参加を促進するとともに、老人ホームなどの介護基盤の整備を進める方針を示しています。
こうした情勢をみると、高齢者施設へのニーズは高まる傾向にあり、土地活用を高齢者施設にすることは大いに検討しうる対策と考えられます。
一方で、高齢者施設は福祉施策や介護保険法とも密接に関わっていて、介護付き有料老人ホームのように設備基準が厳格に決められている施設も多いもの。また、介護事業所との連携も必要不可欠です。そうした意味では、高齢者施設で土地活用をするなら、建築会社も介護・高齢者福祉業界にあかるい会社を選ぶほうがいいでしょう。
公益社団法人全国有料老人ホーム協会の「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅に関する実態調査研究事業報告書」を見てみると、千葉県はサービス付き高齢者向け住宅の戸数が全国的に少なく、208万戸。同じ関東エリアで比較すると、群馬県の577.4万戸、栃木県の299.1万戸、茨城県の280万戸と比べても少なくなっています。
一方、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの数は、65歳以上の人口10万人に対して定員1366.5万人と多く、関東でも神奈川県に次いで多い数字となっています。
実際の高齢者施設開設数を見てみると、各施設の内訳は次の通りとなっています。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県別ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/chiki/
千葉県内の高齢者施設の分布を見てみると、やはり多いのが千葉市や松戸市、船橋市、柏市といった都市圏で、市区町村別にみると松戸市が最も多く57施設となっています。
千葉県は、都市部と南部の過疎地域との格差が大きく、千葉県南部や山間部にある高齢者施設は比較的規模が大きい傾向にあります。また、房総地域には立地と都心からのアクセスの良さを生かした、都市生活者向けの終の住処としての高齢者施設が多いのも特徴です。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県市区町村ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/shiku/
土地の賃借や売買を仲介するサイト「遊休地バンク」には千葉県内の遊休地情報が掲載されています。2018年12月時点の遊休地をいくつかピックアップしてみましょう。
土地面積 | 地目 |
---|---|
3310㎡/1000坪 | 雑種地 |
1650.00㎡/498.49坪 | 宅地 |
905.78㎡/247.41坪 | 宅地 |
高齢者施設建設は、設置予定地によっては、法令や規制が存在する場合があります。千葉県で高齢者施設を建設する場合も、地元市町村の担当部局に十分に確認を取りながら進めたほうがよいでしょう。
千葉県では、下記のの施設を設置する場合、老人福祉法に基づく届け出を行わなければなりません。
また有料老人ホームの場合は、平成30年5月1日より「千葉県有料老人ホーム設置運用指導指針」が改正になりました。
建設した有料老人ホームに、お年寄りの生活支援施設として適当な機能があるか、県が事前に審査します。有料老人ホームとして、お年寄りの心地が良い空間として機能するよう建設を進める必用があります。
高齢者施設はこれからも需要が高まってきます。それに合わせて、法律が改正される可能性は高いです。
建設前には自治体のホームページなどを確認をおすすめします。
千葉県で、高齢者施設建設を行う場合、運用も見据えて地元の市町村に相談することからはじめるといいでしょう。
有料老人ホームなどの高齢者向け施設は建設だけではなく運用も視野に入れなければなりません。その場合近隣住民の理解や、地域社会との交流が不可欠です。建設前から地元の市町村と関わることは、建設後の安定した運用に繋がります。
これからも高齢者向け施設の需要は高まってきます。それに合わせて法改正なども今後行われるでしょう。特に変わりそうなのが、介護職員の職場環境です。
介護の力仕事により体を痛めないようにロボット介護を取り入れたり、福利厚生を手厚くしたり、場合によっては外国の介護職員を雇う可能性もあります。
介護職員の職場環境を整えることは、お金がかかります。しかし居心地のよい職場環境は、お年寄りの過ごしやすい空間にもつながります。健全な運用のためには、介護職員にも居心地のよい職場環境を提供する必用があります。
土地活用として高齢者施設を建設する場合、建設は建設会社にまかせ、建設会社から施設の運用会社を紹介されることが多いです。
介護職員の職場環境にも気を配れる運用会社はどうしたら見つけられるのでしょうか。
おすすめは地元で実績のある会社に高齢者施設建設をおまかせすることです。地元で経験のある会社であれば、その土地の運用会社にも詳しいです。
千葉県でおすすめできる建設会社を、下記にまとめましたので参考にしてみてください。
シルバーエイジ研究所をグループに持つ大和ハウスは、行政とのネットワークも構築されており、高齢者施設だけでなく医療・介護事業に関するノウハウやデータも豊富に持っている建築会社です。
入所型高齢者向け施設だけでなく、デイケアサービスやデイサービス施設の施工実績も多く、こうした介護施設として土地を活用したいと考えている方にもオススメの会社です。希望すれば、介護事業者をテナントとして紹介してもらえるのも心強いと言えます。
施設名称:サービス付き高齢者向け住宅(ユノトレメゾンかしわ)
引用元:ユノトレメゾンかしわ公式HP(http://www.prior-hd.co.jp/kashiwa/outline.html)
サービス付き高齢者向け住宅毛地区の提案に強い建築会社と言えば、ミサワホームです。土地活用のプランニングとして、医療福祉施設にも精通しているほか、商業施設やマンションやアパートなどの一般住戸のプランニング実績もあります。
そのため、土地の広さや立地、周辺環境などに合わせて最適な土地活用方法を、高齢者施設に限定せず比較・検討できる建築会社と言えます。
施設名称:マザアス在宅ホスピス南柏
引用元:株式会社マザアス公式HP(http://www.motherth.com/)
全国の介護事業者や医療関係機関とのネットワークも豊富なタモツコーポレーションは、高齢者施設をはじめとした福祉施設の建築事例も豊富に保つ会社です。
医療系施設も多く手がけていることから、衛生管理などを徹底する必要のある介護施設建設においても頼れる存在です。