茨城県南部は都内への通勤圏としても人気で、特につくばエクスプレスが利用できるつくば市は近年も人口が増えている人気の街。茨城県の場合、人口比率で高齢化率が高いのは県北部であるのに対して、実際の高齢者施設供給は県庁のある水戸市をはじめとする県央部や県南部です。
上でも触れましたが、茨城県の県南部は都心からのアクセス環境が整っているのが優位点。JR常磐線やつくばエクスプレスといった電車と、常磐高速道を使った車利用と、都内から1時間程度で行けます。
そのわりに周辺環境はのどかで落ち着いた暮らしができますし、生活に必要な施設は十分揃っていて、東京や千葉からの移住者も多いようです。
土地活用で考えると、学園都市であるつくば市を除けば単身者の住宅需要はあまり多くはありません。やはり分譲一戸建てがメインとなることもあり、オーナーとしては高齢者施設を検討したいところ。高度経済成長期から住み始めた住民の高齢化が進んでいることもあり、高齢者施設の需要は十分見込めます。
全国の有料老人ホーム情報を集めている専門サイト『有料老人ホーム情報館』で、全国都道府県及びその市区町村別に登録されている施設数のデータが公開されています。そこから茨城県に関するデータをピックアップしてみましょう。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県別ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/chiki/
以下は茨城県内の市区町村別で高齢者施設が多い上位5地区となります。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県市区町村ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/shiku/
『遊休地バンク』という遊休地の土地情報を検索できる専門サイトで、茨城県の遊休地について調べた結果を以下に紹介します。情報は2018年8月10日現在となります。
土地面積 | 地目 |
---|---|
3254.00㎡/984.33坪 | 畑 |
496.50㎡/150.00坪 | 田 |
6200.00㎡/1873.11坪 | 山林 |
589.18㎡/178.00坪 | 雑種地 |
10000.00㎡/3021.15坪 | 山林 |
6620.00㎡/2000.00坪 | 畑 |
1604.00㎡/485.21坪 | その他 |
669.00㎡/202.11坪 | 宅地 |
引用元/遊休地バンク|茨城県
http://xn--xoqv1r613c.com/land/?pref=%E8%8C%A8%E5%9F%8E%E7%9C%8C
東京のベッドタウンとして発展を続ける茨城。土地活用の方法として、高齢者向け住宅の建設以外にも、マンションやアパート建設など、魅力的な方法がたくさんあります。
ただし、どの土地活用法にも一長一短があることは事実。いずれの方法が一番良いか、ということを一概に評価することはできません。
以上を前提に、茨城において高齢者向け住宅を建設することのメリット・デメリットを考察してみましょう。
詳しくは後述しますが、茨城県内では高齢化が急速に進んでいます。医療の進歩なども手伝い、今後も長期的に高齢化が続いていくことでしょう。そのような背景において、高齢者向け施設は、長期的かつ安定的な収入を見込める土地活用法と考えられます。
高齢化が進む世の中において、高齢者向け施設の建設自体が、地域への社会貢献となります。後述する県内の老年人口の推移を見れば、施設自体が社会貢献となることを、十分に理解できるでしょう。利回りを得ながら社会貢献ができることに、投資家はやりがいを感じるはずです。
高齢者向け施設の建設には、億単位のお金がかかると考えてください。マンションの区分所有とは異なり、気軽に始められる投資ではありません。
商業ビルなどとは異なり、高齢者向け施設は、その特有の設計・仕様の都合上、他の用途への転用が難しいと考えられます。よって、将来的に施設を廃業するとなった際、他者への転売に苦労することが予想されます。
茨城県内における今後の高齢者向け施設のニーズをイメージするために、これまでの県内における老年人口の推移を確認してみましょう。なお、以下の数字で示した「老年人口」とは、県内に住む65歳以上の男女の合計人口を指しています。
1970年 | 1975年 | 1980年 | 1985年 | 1990年 |
---|---|---|---|---|
169,267人 | 196,380人 | 236,485人 | 278,503人 | 338,799人 |
1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 |
---|---|---|---|---|
418,610人 | 495,693人 | 576,272人 | 665,065人 | 771,678人 |
※茨城県公式HP「平成27年国勢調査人口等基本集計結果概要(確定数) 」より(https://www.pref.ibaraki.jp/kikaku/tokei/fukyu/tokei/betsu/jinko/kokucho/kokucho27-1/index.html#report)
1970年に17万人弱だった県内の老年人口は、2015年に80万人弱まで増加。実に4.5倍ほどの増加率です。なお上記データには示していませんが、2016年以降の老年人口も急増中です。
2036年からは、団塊世代と同程度の人口を擁する団塊ジュニア世代が老年へと加わります。今後、医療の進歩に伴い平均寿命が延びると仮定すれば、県内における老年人口、および老年人口比率は、ますます増加していくことでしょう。
以上のことから、茨城県内における高齢者向け施設へのニーズは、今後、長期的・安定的に増加を続けるものと予想されます。
高齢者施設の需要の高まりをうけ、国に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に指針を設けました。高齢者向け施設を建設する多くの場合、登録が必要です。
また都道府県ごとに職員配置・管理運営・サービス内容・災害に対する備えなど順守すべき基本的な事項が決められています。
茨城県の有料老人ホームの運営指導指針を調べたい場合は、「茨城県有料老人ホーム設置運営指導指針」を確認しましょう。
また茨城県は、入居者の住みやすささだけではなく、介護スタッフの働きやすさなども注目しています。
茨城県は平成30年度に、介護ロボット活用促進事業のモデル施設を募集しまました。腰補助タイプの介護ロボットなどの、介護ロボットの普及を促進を目的とした事業です。
今後も介護ロボット普及のため、事業や補助金が行われる可能性は高いです。うまく活用すれば、ロボット設置費用を抑えられる可能性があります。
今後も高齢者施設の指針や条例などが変更される可能性が高いです。高齢者施設建設を考えているのであれば、茨城県の高齢者施設情報をよく確認するようにしましょう。
高齢者施設を建てたら、今度は運用しなければなりません。入居者へのサービス提供の他、病院との連携、介護職員への負担軽減など考えなければならないことは山ほどあります。
しかし施設経営を運用会社に委託すれば、面倒なことをすべてまかせられます。
高齢者施設を得意とする建設会社の場合、施設運用会社を紹介してくれることも多いです。運用会社への仲介もあわせた施設建設をサービスとして提供している会社も多いです。
選ぶのであれば、地元での高齢者施設建設の経験がある建設会社です。できれば運用会社も仲介してくれる建設会社がよいでしょう。
茨城県でおすすめできる建設会社を、下記にまとめましたので参考にしてみてください。
茨城県を対応エリアとしていて、高齢者施設建築でおすすめできる専門会社を3社、ピックアップしてみました。
建築業界における歴史で見れば材木商として100年近い歴史を持つ企業。また、近年は建築の請負に留まらず、自社で高齢者施設の運営を手掛け、グループ会社では介護関連設備や用品の販売・リースまでカバーしています。
そうした背景もあり、サ高住の小規模施設なら木造にすることで建築費を抑え、坪単価では大手より20~30%安価なコストでの対応もできます。
施設名称:住宅型有料老人ホーム(エーデルワイス)
引用元:ワイビルド公式HP(https://ybuild-honjo.jp/example.html)
高齢者施設の建築だけでなく、サ高住や有料老人ホームの運営業務も行っている企業。オーナーに対しては高齢者施設建築後、サブリースシステムによって賃料を支払うところまで、ワンストップ対応しています。一般住宅も手掛けてはいますがメインは介護関連事業で、「ご長寿くらぶ」というサービスブランドを展開、サ高住による土地活用のパートナーとして頼りになる存在です。
アーバンアーキテックの口コミ・評判は見つかりませんでした。
施設名称:ご長寿倶楽部(ひたちなか市・東石川)
引用元:ご長寿倶楽部公式HP(http://gotyoujyuclub.com/hometype/441)
土地活用では賃貸物件や各種商業施設、そして高齢者施設など幅広い用途に対応しています。オーナーの要望や立地環境、周辺マーケットなどを調査分析した上で、企画・開発部が土地活用のプランニングに対応。建物だけでなく必要な設備や商材に関連するサポートやリノベーションでも相談できる会社です。
活動エリアの中心は土浦市やつくば市になりますが、商業施設は茨城県全体をカバーしています。