神奈川県は、全国でも高齢化の進むスピードが早く、日本の超高齢化社会の未来の姿とも言える地域です。川崎市や横浜市などの都市部では、かつては特別養護老人ホームもなかなか入居できないとされていましたが、政策の変化によってその事情も少しずつ変わってきている様子です。
横浜市や、川崎市、平塚市など都市部も多い神奈川県。高齢者施設に土地を活用する上では、各エリアの特性を十分理解しておくことが大切です。
例えば地価の高い横浜市などでは、いわゆる高級な高齢者向け住宅も多く見受けられ、サービスや施設の設備も高級路線を撮るところが少なくありません。一方、藤沢市などでは、景色の良さなどを生かしたマーケティングで施設の魅力を訴求し、入居者を募る高齢者施設が多いのも特徴です。
土地活用の一つの選択肢として、高齢者施設の解説を検討する際に気をつけておきたいのが、市場のニーズです。また、介護付き有料老人ホームのように、介護保険サービスとセットになる施設の場合、介護保険法に基づく施設基準を満たす必要があります。また、有料老人ホームの設置には、行政との事前協議が必要な上、経営状況報告書なども提出が求められます。
そのため、一般的な賃貸マンション経営とはまた違った手続きが必要となるのも事実。そうした意味では、高齢者施設の建設だけでなく、介護事業者とのネットワークが強い会社に相談するのが得策です。
公益社団法人全国有料老人ホーム協会が取りまとめ、公表している「平成25年度有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅に関する実態調査研究事業報告書」によれば、神奈川県は有料老人ホーム1件あたりの定員数が50〜79人の施設が最も多く、5割前後を占めています。65歳以上のじんこう10万人に対する有料老人ホームの定員数は、全国でも比較的高く、全国四番目となる1905.1人/10万人。中でも介護付き有料老人ホームの割合が高いのが特徴です。
一方サービス付き高齢者向け住宅の戸数は全国的に見て少ない傾向にあり、181万戸と全国でも下から数えて六番目。
実際の老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の数は次の通りです。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県別ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/chiki/
では実際に、高齢者施設が神奈川県内で多いのはどのエリアなのでしょうか?
神奈川県では、横浜市が当然多いかと思いきや、最も多いのは藤沢市。ついで川崎市宮前区、川崎市高津区、横須賀市、平塚市と続きます。
引用元/有料老人ホーム情報館|老人ホーム 都道府県市区町村ランキング(2017年1月現在、有料老人ホーム情報館に登録している施設のデータを集計)
https://www.roujin-homes.jp/ranking/shiku/
では、遊休地を転用して高齢者施設を運営しようと思った時。神奈川県内にはどの程度の遊休地があるのでしょうか?土地の賃借や売買を仲介するサイト「遊休地バンク」には、次のような遊休地が物件として登録されています。(2018年12月時点)
土地面積 | 地目 |
---|---|
200.00㎡/60.42坪 | 宅地 |
5315.00㎡/1605.74坪 | 畑 |
148.00㎡/44.71坪 | 山林 |
高齢者施設の需要が高まるのに合わせて、都道府県で制度の整備がすすめられています。平成30年6月1日には、神奈川県でも有料老人ホーム設置運用指導要綱の一部が改正されました。
土地活用目的の高齢者施設運用であれば、建設は建設会社におまかせすることになります。しかし安心して土地をまかせないのなら、自身でも自治体のホームページで高齢者施設の情報を集めることをおすすめします。
情報を集めたいのなら、神奈川県高齢者福祉施設協議会もあります。神奈川県の介護についての情報を案内したり、施設で排出される個人情報が書かれた不要書類を一括で処理する事業を実施しています。
お年寄りの生活を支える高齢者施設の運用は、運用を行うのが大変です。
神奈川県では老人ホーム設置指導指針をを設けており、職員の配置や、建物の基準など有料老人ホームを運用するうえで、順守しなければならない規定について記載しています。
また年に1回、有料老人ホームの経営状況を報告しなければなりません。
土地活用で高齢者施設を運用する場合、建設も運用も会社にまかせることになります。土地所有者ができることはあまりありません。
できればこれからも変化するであろう、法律や規制に柔軟に対応できる会社を見つけたいものです。そのために注目するのはやはり地元での実績です。
高齢者施設の運用を起業して新しい運用会社にまかせるのもよいですが、その会社がきちんと運用できるのかの判断は、初心者には難しいです。
素直に地元での実績を参考に、おまかせする運用会社を探したほうがよいでしょう。
神奈川県でおすすめできる建設会社を、下記にまとめましたので参考にしてみてください。
神奈川県で高齢者施設建築が対応できる専門会社はいくつかあります。ここでは、オススメの会社を3社ピックアップしてご紹介します。
自社でも全国でシルバー事業を展開しているレオパレス21は、高齢者施設の運営ノウハウが豊富です。介護事業者と土地オーナーとのマッチングもしてくれるため、全く初めてのところからの高齢者ビジネス参入をするという方にもオススメです。
施設名称:住宅型有料老人ホーム+デイサービス(ラヴィスタ青梅 今寺)
引用元:レオパレス21公式HP(https://www.leopalace21.jp/case/construction/silver/case_04.html)
大手ハウスメーカーとしても知られている積水ハウス。セレブリオやグランドマストなどの高齢者施設ブランドを展開しています。介護事業者とのネットワークも持っており、マーケティングも含めたサポートが受けられます。建築面でも、高齢者住宅の設計経験豊富なスタッフが在籍しています。
施設名称:サービス付き高齢者向け住宅(シノン青葉台)
引用元:積水ハウス公式HP(https://www.leopalace21.jp/case/construction/silver/case_04.html)
医療や福祉関係の施設の建築を得意とするタモツコーポレーション。全国にある介護事業者や医療関係者とのネットワークも豊富なため、高齢者施設開設をトータルでサポートしてくれます。
高齢者施設の中でも人気の高い、医療サービス付きの施設を検討しているなら、一同相談してみる価値のある建築会社といえるでしょう。