サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)は、高齢者が入居することを想定したバリアフリー対応の賃貸住宅です。

有料老人ホームとの大きな違いは、介護サービスは外部の介護事業者と別途契約してもらう点。また、一般の賃貸住宅とは異なり、日中生活相談員が常駐しながら、安否確認や食事サポートなど生活支援サービスを提供しているところです。

入居対象は60歳以上の高齢者もしくは要介護認定を受けている方となるサ高住。土地活用で運用する際に知っておきたいこと、注意したいポイント、メリットなどをまとめました。

サービス付き高齢者向け住宅とは

略してサ高住とも言われるサービス付き高齢者向け住宅が老人ホームと大きく異なる点は、賃貸住宅という点。建物や設備がバリアフリー化されるなど高齢者に優しいつくりになっていて、日々の暮らしに関する相談及び安否確認などのサービスが付いています。

介護は通所や訪問といった在宅介護サービスを利用することになります。

高齢化が進み、介護サービスへのニーズが高まる一方で、国は介護を施設から在宅へという方向で政策を進めています。在宅で訪問介護や通所介護サービスを利用しながら生活することが可能になる環境を整備するという流れの中で、増加傾向にあるのがサービス付き高齢者向け住宅なのです。

サ高住は、2011年に創設され、全国的にも人気の高い住まいです。現在、2030年までに60万戸の供給体制を整えることを目標に、国や自治体から税制優遇処置や補助金なども用意されていることから、土地活用でも人気。

例えば、サ高住整備への優遇処置・補助金政策としては次のようなものがあります。

  • サービス付き高齢者向け住宅向け住宅普及促進税制

不動産取得税の特性や、固定資産税の軽減処置を整備。所得税や法人税も割増償却の特例がある。

  • サービス付き高齢者向け住宅向け住宅整備事業

一個あたり最大120万円を上限に、建設費の1/10or回収費の1/3を補助

こうした補助制度を使いながらサ高住へ土地活用する際に、慎重に考えておきたいのが介護や医療サービスの充実度合いです。

サ高住への入居を検討する方の多くが、一人暮らしの不安や介護が必要になったことを入居の理由としています。つまり、介護サービスの充実度が入居率を高める要因となる可能性が大なのです。サ高住では、介護サービスは併設もしくは提携の介護事業所を決め、サービスを提供してもらうことが大切です。

また、サ高住の開設には居室の広さや共有スペースの有無、緊急通報装置や見守りセンサーなどの設置等、さまざまな基準が設けられています。建物を建設・改修する際には、基準を満たしているか、きちんとチェックしましょう。


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サービス付き高齢者向け住宅を建てるメリットとデメリット

土地活用としてサービス付き高齢者向け住宅を建てることの主なメリットを紹介します。

  • 地域社会に対する貢献度が高くなる
  • 建物や設備などのメンテナンスは事業主体の負担割合が大きい
  • 住宅施設のなかでも固定資産税や相続税で節税に有利
  • 国が提供する補助金制度を利用することができる
  • 賃料の下落リスクがほぼないので中長期の安定収入が期待できる

サービス付き高齢者向け住宅で土地活用を考えた時、いいことばかりではなく、きちんとデメリットについても知っておきたいところです。サービス付き高齢者向け住宅のデメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 入居者確保ができる良い運営事業者を選ぶ必要がある
  • 建築費用がそれなりにかかる
  • 建築要件を満たすために土地の広さがそれなりに必要
  • 建物を他用途に転用するのが困難
  • 介護保険制度や高齢者住まい法など法律・制度の改正の可能性もあり

サービス付き高齢者向け住宅の建築費用相場

サ高住建設のおすすめ事業者

土地活用においては、「収益性」を優先して事業者を選びたいところです。

なかでもイニシャルコスト(初期投資)の規模をできるだけ抑えられたほうが、その後の収益性にも大きく寄与するといえるでしょう。

建設時の平均坪単価も、一つの目安になるのではないでしょうか?

事業者名 平均坪単価 公式サイト
ワイビルド 1坪あたり
50万円台~

詳しくみる

渋沢 1坪あたり
60万円台~

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レオパレス21 1坪あたり
70万円台~

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サ高住の坪単価を全国で見ると、63.8万円。関東だけで見ると平均坪単価67.8万円となっています。

引用元:高齢者住宅財団(http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/project_2011_01_07.pdf)

サービス付き高齢者向け住宅の建築基準や補助金など

サービス付き高齢者向け住宅の施設に対する建築基準や設立にあたっての補助金などは以下となります。

居室 1人あたりの床面積が25m2以上。
必要な設備など 便所、洗面設備など、バリアフリー化
補助金 本体の建築費用(税込)の10%が補助金対象

サービス付き高齢者向け住宅の現在の需要

公益社団法人全国有料老人ホーム協会が2014年3月に公表した調査報告書には高齢者施設に対するアンケート調査に基づいた入居率が掲載されています。そのなかからサービス付き高齢者向け住宅の入居率分布をピックアップしてみます。

入居率 回答数 回答比率
50%未満 164 15.9%
50~70%未満 129 12.5%
70~90%未満 207 20.0%
90%以上 488 47.2%
無回答 46 4.4%

サービス付き高齢者向け住宅の約47%で入居率90%以上というのはよい傾向かと思われますが、入居率50%未満が約16%となっているのも注意したいところです。

引用元/公益社団法人全国有料老人ホーム協会『有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究』
http://www.yurokyo.or.jp/investigate/pdf/report_h25_01_02.pdf

サービス付き高齢者向け住宅の経営方法

土地活用でサービス付き高齢者向け住宅の経営を考えた時の方法としては、次の4つの選択肢が考えられます。

  • 一括借り上げ方式
  • テナント方式
  • 委託経営
  • 自ら経営する

一括借り上げ方式とはサービス付き高齢者向け住宅を保有する土地に自己資本で建て、その施設を事業者に貸し出すという方式です。一括借り上げなので、空室があったとしても一定の陳勝収入が安定的に得られます。一方で、事業者に対する手数料の支払いが生じるため、他の経営方法よりも収益性は低いと言えます。

テナント方式は、訪問介護サービスや通所介護サービスなどの介護サービスを外部事業者に、その他の入居者募集〜ご契約〜施設のメンテナンスなどは自ら行なう経営方法です。賃料が直接入居者から受け取れるため、収益性は高くなりますが、空室が出たときのリスクを考えておく必要があります。

テナント方式と似ている委託経営は介護事業者に手数料を払いながら賃料と日常の見守りサポートなどのサービス料は介護事業者から受け取る方式です。こちらも空室リスクがありますが、収益性が比較的高い方法です。

もっと突っ込んでサービス付き高齢者向け住宅の経営を、と考えるなら地主自らが介護事業者として参入する方法もあります。しかしながら、介護事業は参入ハードルや人材確保など経営に加えて考えなければならない課題もたくさん。安易に手を出すのはあまりお勧めではありません。

サ高住の土地活用例

リハビリ施設や診療所を併設した大型複合施設としてのサ高住

香川県高松市に建つ、敷地面積4,605㎡の巨大なサ高住。実際にはサ高住だけではなく、リハビリ施設や診療所なども併設した複合型施設となっています。

東側棟が2階建てで、西側棟が4階建て。東側棟の1階と2階には、温水プールやラジウム温泉を置いたフィットネスを設置。西側棟1階には、整形外科や内科などの6つの診療科を持つ診療所、その2階には通所リハビリと在宅介護支援事業所、さらに3~4階には40戸からなるサ高住を設置しています。

オーナーは、同市で約50年にわたって地域医療を支えてきた医療法人。法人の移転を機に、今後ますます進む高齢化社会に正面から応えられる施設を作るべく、今回、高齢者のための大型複合施設を建設したとのことです。

施設内は、十分な採光を取り入れた明るい雰囲気。施設内外の方々が多く往来する刺激もあり、サ高住への入居者さんたちは、ますます元気になりそうです。

医療法人がオーナーということもあり、同じ規模の施設を個人オーナーが作ることは難しいと思われますが、土地活用のコンセプト自体は個人オーナーでも大いに学ぶものがあるでしょう。

まるで高級ホテルのような贅沢な空間

敷地面積2869.51㎡、延床面積3263.25㎡。地下1階、地上2階建ての大規模な高齢者施設です。屋内ではサ高住のほかに、デイサービス施設、訪問介護事業所、居宅介護事業所と、計4つの高齢者向け事業を展開。2階にサ高住としての個室を50戸設け、1階を共有スペースやその他の事業スペースとして活用しています。

この施設の最大の特徴は、サ高住やその他の事業の内容というよりも、まるで高級ホテルのような贅沢な空間です。豊かな緑に囲まれた外観から屋内へと足を踏み入れると、そこは本物の高級ホテルのロビーのよう。食堂もまた、4人ごとに独立して使用するホテルのレストラン仕様、二人用の個室には和室と洋室の二つの空間。入居者の誰もが使えるマッサージチェアも3台用意されています。具体的な入居費用は不明ですが、間違いなくアッパーを対象とした施設であることは確かでしょう。

「どんな方でもウェルカム」という施設よりも、実は、アッパーの方々に限定した施設のほうが入居率は高くなるという傾向もあるようです。初期投資額は高くなりそうですが、一つの土地活用法として検討してみても良いかも知れません。

「親を入居させたい施設」をイメージして建てたサ高住

敷地面積677.05㎡、延床面積684.33㎡。地上2階建ての中に計20戸を要するサ高住です。サ高住のほかにも、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を設置しています。

オーナーさんは、自身のお父様の介護に直面し、入居できそうな施設を多く見学しに行ったとのこと。ところが見学した施設は、どれもこれもが無機質で病院のような雰囲気だったそうです。お父様を入居させたいと思える施設は、なかなか見つからなかったと言います。

そんな経験を持っていたオーナーは、土地活用の方法として、入居者やそのご家族が安心して利用できる施設の建設を計画。「自分の親を入居させたいと思える施設」を目指し、試行錯誤のうえ生まれたサ高住が、こちらでご紹介している物件です。

阪神地域で知られた住宅街に立地し、駅は徒歩ですぐ。オーナーの思いに共感する志の高いスタッフにも恵まれるなど、他の施設とは一線を画したサ高住へと成長しました。

先にご紹介した2つの施設は、その規模や内容から見ても、個人オーナーには少々手が届かないタイプかも知れません。一方で、こちらでご紹介する事例は、サ高住で土地活用をお考えの個人の方でも、現実的に実現可能な内容になるのではないでしょうか。

サービス付き高齢者向け住宅を運用している人の口コミ・評判

普通の賃貸住宅よりも長期的に安定収入が得られています

アパート経営だと大体2年周期で契約更新。学生さんも多くなるとどうしても長期的な収入源としては難しいのではと思っていました。そんな時に勧められたのがサービス付き高齢者向け住宅。

補助金などもあるし、税制面でも優遇が得られると聞いて投資・運用してみることにしました。当初は入居者を募集するのに多少の宣伝費が必要となり、すぐにキャッシュフローでプラスにするのは難しいなと感じました。

数年運営してやっと利回りが良くなってきたと感じている次第です。補助金などの制度ありきで投資を考えるとやはり難しいと思いますので、きちんと長期的なキャッシュフロー計画を立てた上で検討するのがおすすめです。介護事業者との提携も、どこと提携するのかが大切だと痛感しています。

運営業者選びは慎重に

今の所順調にサ高住の運用ができています。家賃保証があるのである程度は安心ですし、相続税なども節税できると税理士からも太鼓判をいただいています。現時点では、固定資産税が多少安くなっているのが嬉しいところですね。

サ高住の土地活用自体で利益をたくさんあげようと思うと、もっと考えなければいけないことも出てくると思います。例えば、運営業者は、全国的に名の通ったある程度集客力のあるところの方が無駄なお金はかからないでしょうね。入居されている方に話を聞くと、環境や立地はもちろんですが、サービス内容も結構吟味していたとのことでしたから、入居率を高める上で、その辺りを考えることは必須かと。

もともと使っていない土地を活用したいと思って

30戸以下の小さなサ高住を使っていない土地に建てました。運営は、業者に入ってもらいましたので、こちらとしては特に何かをすることはありません。定期的に経営状況などを教えてもらうのでいいのですが、当初は富裕層向けを狙ったプランで、少し経営に不安が。実際、高い家賃を払えない人が多いのか入居者集めには苦労しました。少しだけサービスを薄くして、低価格帯にしてもらったところ、ぼちぼち入居者が集まってきた感じですね。今の所、まだまだお元気中田の入居が多いので楽ですが、将来介護を必要とされる方が多くなった時の対応については今から考えておかなければならないかなと思っています。稼働率が少なくとも7割は見込めないとペイするのは大変だと思うので、賃料設定は現実的なプランを考えるべきでしょう。

賃貸住宅として貸し出していたアパートを改修しました

最初は古くなった鉄筋のアパートを壊して土地を売ろうと思っていましたが、ちょうどこの建物を回収して貸してくれないかという会社があり、活用してもらうことにしました。介護や高齢者向け住宅についてはあまりよくわかりませんが、私は地主という形で賃料収入の一部を利益としてバックしてもらっています。

改修費用やサービス費用等は借主任せですからよくわかっていないというのが正直なところ。細々とでも賃料収入があれば願ったり叶ったりですから、あとは事業者が撤退しないことを祈るばかりです。

サ高住の建設費用の目安

サ高住を建設する場合の費用の目安を見てみましょう。

建設費用の目安

50戸ほどのサ高住を建てる場合の費用の目安は、おおむね2億円と考えておけば良いでしょう。全国平均よりも、関東エリアのほうがやや高くなる傾向があります。

なお、建設費用自体は2億円ほどですが、備品や什器、広告費用なども初期費用に加算されることも理解しておきましょう。もちろん、土地を購入する場合には、別途で土地購入費用も必要です。

サ高住を建てると国から補助金を受け取ることができる

ほとんどのタイプの高齢者向け施設は、その建設費用に対する公的な補助金・助成金制度が用意されていません。それに対し、サ高住は、国土交通省による補助金制度が用意されています。

補助金の額

サ高住の建設における補助金の上限額は、建設費用の10%。仮に建設費用に2億円がかかった場合、2000万円もの補助金が支給されることになります。

なお同制度には、上限10%という条件と別に、「一戸あたり100万円が上限」という条件もあります。過剰に豪華な仕様で仕上げるよりも、必要最低限の仕様で仕上げたほうが相対的には有利になる、ということです。

補助金を受ける条件

サ高住の条件を満たした物件を作り、かつ、サ高住として認可された場合に、国の補助金の対象となります。補助金を受け取るためには、国への申請が必要です。

サ高住で土地活用した場合の想定利回り

サ高住で土地活用をした場合、どの程度の利回りが想定されるのでしょうか?一例を見てみましょう。

9%前後の利回りが想定できる

  • 戸数30戸
  • 一戸当たりの住居費6万円
  • 入居率80%
  • 初期投資額2億円

以上の条件と仮定した場合、まず、年間の家賃収入は1728万円となります。初期投資額の2億円と単純に割り算すると、想定される利回りは8.64%ほど。もちろん、住居費や初期投資費用の額により、想定利回りは異なります。

高いニーズと安定的な利回りが魅力

初期費用や家賃の額により想定される利回りは異なるものの、おおむね10%程度と考えておけば大差はないでしょう。

今後、日本では高齢化が進むことが確定しています。また少子化も、恐らく進んでいくことでしょう。そのような社会背景において、高齢者向け住宅のニーズは、ますます高まることが確実視されています。一方で、少子化世代が大人になるころには、世代の人口減の影響から、マンションや商業ビルの需要の低下を避けることができません。

長く高いニーズが予想されるサ高住。長期的かつ安定的な利回りを想定できる、非常に魅力的な土地活用法と考えて良いのではないでしょうか?よりニーズが高まるエリアを選び、かつ初期費用を抑えてサ高住を建設すれば、10%を上回る利回りも期待できるでしょう。

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